11. 「バリア工法」と「ベイト工法」の違い

シロアリ駆除の方法として広く用いられている「バリア工法」と「ベイト工法」には、それぞれ異なる特徴と利点があります。

1.バリア工法
【概要】
バリア工法は、薬剤を土壌や建材に散布してシロアリの侵入を防ぐ方法です。主に住宅の基礎や床下に薬剤を施し、シロアリが侵入できないようにバリアを構築します。
【特徴】
即効性: 薬剤を散布した瞬間から効果が現れ、シロアリを迅速に駆除できます。
持続性: 一度の施工で5年間の効果が期待でき、定期的な点検を行うことで再発を防ぎます。
適用範囲: すでにシロアリが侵入している場合でも、被害箇所に直接薬剤を散布することで駆除が可能です。
【デメリット】
薬剤の使用: 薬剤を使用するため、施工後に一時的に臭いが残ることがあります。また、化学物質過敏症の方には不向きです。

2.ベイト工法
【概要】
ベイト工法は、シロアリが好む毒エサ(ベイト剤)を建物周辺に設置し、シロアリがそれを巣に持ち帰ることで巣全体を駆除する方法です。
【特徴】
根本的な駆除: シロアリがベイト剤を巣に持ち帰ることで、巣全体を死滅させることが可能です。
安全性: 薬剤を直接散布しないため、小さなお子様やペットがいる家庭でも比較的安全に使用できます。
持続的な管理: 定期的な点検を行い、シロアリの活動を監視することができます。
【デメリット】
効果が出るまでの時間: 駆除効果が現れるまでに1〜3ヶ月かかることがあり、即効性はありません。
設置コスト: ベイト剤の設置には一定のコストがかかるため、初期投資が高くなることがあります。

バリア工法は即効性と持続性があり、すでに侵入しているシロアリに対しても効果的ですが、薬剤を使用するため注意が必要です。一方、ベイト工法は安全性が高く、根本的な駆除が可能ですが、効果が現れるまでに時間がかかります。住宅の状況やニーズに応じて、適切な方法を選択することが重要です。